孫君澤筆。
双幅。
重文。
孫君澤については『図絵宝鑑』に「銭塘の人で山ばえんかけい水人物をよくし、馬遠、夏珪を学ぶ」とあるのが唯一の資料である。
この双幅にも馬派の構図と夏珪画のもつ湿潤な筆致の両者が認められるが、それは明代に入り断派に吸収され、次第に平板に皮相的になったところの両者の様式である。
これは元代における南宋院体画の傾向であり、逆にそのことが詩情を失わせる原因でもある。
両図に「孫君澤」の款記があり、代表作の一つである。
【寸法】楼台遠望図(右)全体 縦232.8 横61.0 画面縦142.0 横59.5 溪泉清興図(左)全体 縦232.8 横61.0 画面縦142.0 横59.5
【所蔵】静嘉堂