伝後京極良経筆。『拾遺集』巻十二断簡(手鑑 『碧玉』)。小形の色紙であるところから「豆色紙」の名で知られ、一葉に一首で詞書や作者名は記されていない。現在の料紙はみな墨流で、多少の大小があり、もとは冊子本であったものを切りとったと考えられる。上の句、下の句ともに三行書としている。書風は後京極様であるが、良経(1169~1206)の筆跡とは認めがたく、鎌倉初期の力強い筆意がうかがえる愛らしい小品である。良経は法性寺入道兼実の嫡子で、建仁二年摂政に、元久元年太政大臣になり、書を能くし、いわゆる後京極様として名高いが、仮名の真筆は遺存していない。【伝来】古筆家【寸法】本紙―縦7.9 横7.3