岡山美術館所蔵「油滴天目茶碗」に付属する青貝の天目台である。
中国明代の製作になる渡来品で、その豪華な青貝装飾は群を抜いている。
酸漿部分には口縁に七宝文をつなぎ、胴部に繊細な唐草文を現わし、外縁には鳳風と雲文が右回りに現わされている。
高台内部には「天」の文字と分銅形が沈金で記されている。
酸漿部の形態は尼崎台に類似し、唐草文は明代初期永楽・宣徳頃の形式と思われる。
近代に入って天目茶碗の鑑賞が広く行なわれるに従い、古来、天目台が天目茶碗以上に貴重視されてきた傾向は次第に薄れた。
しかしその優秀な工芸的意匠を今一度見直す必要がある。
【寸法】高さ:78 径16.5
【所蔵】岡山美術館