朱塗の唐物で飾り棚として用いられていたものを、点茶用の棚にとり立てはたいたせいろうだなたもので、中国の楼閣の趣のあるところから栖楼棚と名付けられた。
形は四方柱の三段で、中棚の下部に雲形の鰭板がとり付けられ、唐物らしい重厚で格調高い棚である。
それぞれの板の周囲や柱にもまた唐戸面がとられ、行き届いた細工が施されている。
使用するときは、中棚に棗を、地板に水指を、天板に柄杓と蓋置を飾る。
この棚は西本願寺伝来で、藪内節庵の箱書で「家伝と同形」とあり、藪内宗家にも同形のものが知られる。
【伝来】西本願寺
【寸法】高さ:44.5 縦25.7 横28.6