砂張は響銅ともいい、銅を主とした錫・鉛(または銀)の合金で、中国・朝鮮・東南アジア・中近東で広く製造使用された。この建水は、一般に南蛮砂張と呼ばれる虎肌の斑文のあるものとも、また朝鮮砂張と称する黒っぽい肌に結晶状の斑文のみえるものとも異なり、重厚にしてかつ均整のとれ形態と肌の味わいは中国産の砂張と考えられる。口造りが麺の形に似たところからこの名称があり、口縁の作行きが一段刳ってあるために、全体の姿が引き締まって格調高い。元来、砂張建水は建水中の王者であるが、これはその白眉といえる。【寸法】高さ:8.8 口径:14.7【所蔵】香雪美術館