一般に木地の炉縁は四畳半以下の小間の茶席で使用するが、柿・桑・黒檀・鉄刀木などの唐木の場合は、例外として広間でも用いられる。
それらの木材は、江戸初期までに外国から輸入された唐木として、その材質のもつ風格と雅味を賞揚したのである。
中でも柿材はその利用部分により、この炉縁のように縞の模様をみせるものや、黒い部分ばかりを用いた黒柿などがある。
特に縞柿は色の変化が面白く、また艶のあるところから、木地直接蒔絵を施した炉縁も多い。
中には久以や半人や長以の古作のものもある。
【寸法】一辺43.6 高さ:6.7 天端幅3.6 面幅0.9