
金華山 広沢手本歌 中興名物
付属物
蓋一 窠なし
仕覆 四 仕覆箱 桐白木 書付 小堀遠州筆
挽家 花櫚胴金粉字形 書付 小堀遠州筆
箱 桐黒掻合塗 金粉字形 書付 小堀遠州筆
添状一 松平不昧より竜橋あて(竜橋は不昧妹婿、朽木近江守昌綱不見竜橋のこと)
伝来
小堀遠州―松平備前守―土屋相模守―朽木近江守―姫路 酒井家
所載
目利草 古今名物類聚 姫路酒井蔵帳 名物茶入目利之書 茶器目利聞書 極秘目利書 苦心録 名器録 小堀御遺物御道具 遠州所持名貨記 土屋蔵帳 諸家名器集 松平不昧伝
寸法
高さ:7.6cm 口径:3.0cm 肩径:4.95cm 腰径:6.0cm 底径:4.5cm 重さ:126g
筆者は、酒井家よりこの茶人が出てから、しばしば見る機会を得ている。
この茶入は金華山窯のうちに入れられているが、形が張りになっているのが、金華山窯のなかでも変り形といわれている。 金華山窯の釉立ちは、もっともよくこの茶入にあらわれて、おもしろき眺めのものが多い。あるいは遠州は、胴の中ほどにあらわれた釉の景色からこの銘を選んだとも伝える。気のきいた姿は、こ
の手茶入れの特徴とされている。この銘によって、蓋の裏の貼紙に銀を用いたのは、おなじく遠州の好みで、月をしのんだ心持ちといわれている。
仕覆は四個。遠州の見立てがあらわれて見られる。





書付 小堀遠州筆

書付 小堀遠州筆

弥御壮健珍重に存候。
然者広沢の事、昨日佐々へ御噂も御座候由今朝承り申候。
不二存寄御目見に難有存申候。右申上候通当難で中々、引取出来不申御断申候。
来年は一入よろしく御座候。
金子当年は七百両ならで無之、夫もはや三百五十両は心当テ仕申候付、残三百五十両ニテ一文も無之事実正也。
御返哥拝見仕候。
返し広沢の月の詠めも金なくてたゝやみくものかひものにする
正月廿三日
不昧
竜橋公
用事



