


一筆致啓上候。弥御無事之由、存承珍重に存候。
然者手前伝来之紹鴎作之茶杓、御所望之段致承知、則進之候。尤御秘蔵可被成候。猶期三面之上之時一は。恐惶謹言。

一筆致啓上候。弥御無事之由、存承珍重に存候。
然者手前伝来之紹鴎作之茶杓、御所望之段致承知、則進之候。尤御秘蔵可被成候。猶期三面之上之時一は。恐惶謹言。




一閑彫名 筒宗旦極書 中興名物
略伝
名は仲村、通称新五郎、文亀元年(1501)奈良に生る。 父は武田の遺孤、堺に住み、武具の皮革を業とす。 大永五年(1525)上洛、和歌を三条西実隆に学び、享禄三年(1530)従五位下因幡守に叙任す。茶は十四屋宗悟、宗陳に学ぶ。
享禄五年剃髪、紹鷗と号し茶に専念す。 天文十八年(1549)、48歳で堺南宗寺大林和尚より一閑の居士号を与えらる。京都の住居四条夷堂の隣に大黒庵を結ぶ。弘治改元(天文二十四年、1555年)十月二十九日没す、54歳。
茶杓
上半三は白、下半七は煤竹の変り竹。紹鷗茶杓の約束なる節止とは厳格にいえぬが、切止と節の間に「一閑」と彫る。紹鷗の手彫りと見られる。
筒
紹鷗時代の古作筒で、その時代の栓つめの痕を示す穴が両側に残っている。
後世宗旦がこの古作筒を削って自らの口印と「一閑斎作 不審」と追書したこと必至で、墨付の濃いことも意味あることである。
付属物
内箱 桐白木
同蓋裏書付 元伯宗旦筆
外箱 桐白木 書付 覚々斎原叟筆
同蓋裏書付同筆
添状 六閑斎宗安筆
添状箱書付 松平不昧筆
所載 雲州蔵帳 (紹鷗作 宗旦書付 外箱原叟 冬木小平次 伏見屋十枚)
千家名物記(紹鷗茶杓 元伯筒 千宗安蔵)
茶杓三百選
寸法
茶杓
長サ20.6cm
幅0.75―1.05cm
厚サ0.25cm
简
長サ21.6cm
径:2.7cm
所蔵者
東京国立博物館



