



先刻者致何公
寒得貴處其上
御地走相成忝
奉存候。
御下屋敷二ても段々
御世話二相成不浅奉存候。
然者此紹鷗茶杓。
同名久敷致所持
罷在候二付此度致
進上候。御遣
御覧可被下候。心事
期貴顏可申入候。
頓首。
八月十六日
猪々御内室様
へも乍慮外宜御
心得可被下候。以上
(裏書)
川合字様
千宗員上

先刻者致何公
寒得貴處其上
御地走相成忝
奉存候。
御下屋敷二ても段々
御世話二相成不浅奉存候。
然者此紹鷗茶杓。
同名久敷致所持
罷在候二付此度致
進上候。御遣
御覧可被下候。心事
期貴顏可申入候。
頓首。
八月十六日
猪々御内室様
へも乍慮外宜御
心得可被下候。以上
(裏書)
川合字様
千宗員上
極筒宗旦
茶杓
無節、真の茶杓で堅樋が一本流れている。
筒
口印に紹鷗花押があるから共筒である。その下に朱漆書で「紹鷗作宗旦花押」と極書している。
付属物
箱 桐 白木 書付 了々斎宗左筆
同蓋裏 書付 随流斎宗左筆
添状 如心斎宗左より川合宇あて
所載
千家名物記
寸法
茶杓
長サ19.5cm
幅0.6―0.95cm
厚サ0.3cm
筒
長サ22.7cm
径:2.2cm
添状(如心斎宗左筆)
先刻(さっき)は、何公のところへ寒(かん)に入ってから三度も貴方のお屋敷へお出向きになられ、ご足労されたとのこと、恐れ入ります。
御下屋敷(しもおやしき)でも段々、お世話になり、浅からぬおつきあいに感謝しております。
さて、この度、紹賜(しょうし)の茶杓ですが、同名の茶杓を久しく所持しておりますため、改めてこちらを進上(しんじょう)いたします。お送りいたしましたので、どうぞご覧ください。私の真心を込めた思いを、貴方のお顔を拝見して申し上げたいと存じます。
頓首(とんしゅ)。
八月十六日
猪々(いのしし)御内室様へも、恐縮ながら事情をお察しくださいますようお願いいたします。以上。
(裏書)
川合字様
千宗員上



