


寸法
高サ6.6cm
左右4.7cm
重サ115g
染付辻堂香合は、香合番付西の筆頭大関にかかげられ、染付のうち、もっとも時代がふるいといい伝えられる。数も少なく、筆者の知るところでは五点だけである。
なかでもこの香合は、出来上がりがもっとも優秀で、きずも見えず、形物香合中でも抜群の賞賛を博している。
色合いはきわめて鮮やかで、文様は松葉と落葉を藍色に染め出し、形は端然としている。
きがかひつちとくに蓋が身にかかるところ、すなわち、「器掛り」に「火土」が赤み色よく出て、これを茶人がこよなく愛したのである。
番付には「辻堂」としるされたが、ふるくは「くず家」とも書かれているのがある。
辻堂とは、田舎道の辻に立つ小祠とながめたものである。
他の同種のものは、いずれも茶人の宝庫に大切に愛蔵されている。

番付上段にあり 現存数甚だ少なし 参考品


