
付属物 箱 桐白木 同蓋裏 書付
寸法
高さ:29.4cm 口径:11.3~12.5cm 胴径:17.3~17.5cm 底径:13.5cm 重さ:2400g
昔、渡辺綱は羅生門で鬼退治をし、その片腕を持ち帰った。あとのたたりを案じて七日間潔斎したが、最後の日に叔母に化けた鬼がわが腕を取り戻した。
いかにもこの花入を眺めていると、「鬼の腕」とはよくつけた銘だと感心した。それと同時に、銘が奇抜なだけに作柄も一生忘れることのできぬ印象を与えてくれる。
むろん作者は意識して造ったものでなく、偶然にもゆがんだのであろう。しかも焼き上がりは上々である。茶人の好悪は別として、いかにも不逞にして図太い意匠家古田織部好みのもので、伊賀の「生爪」と兄たりがたく、弟たりがたい花入である。
箱には「古田織部正添手紙有之」とあるが、織部の手紙は現存しない。


