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鶴田 純久の章 お話

柿の蔕茶碗。
柿の蔕は、本手斗々屋と兄弟のように似たところがあります。
鉄分のある土に薄い釉薬(たぶん共土を熔かしたものであろう)をかけただけの、一見して土器に似た茶碗ですが、その枯れ寂びた様相こそ、日本茶入の茶の美学に適うものでした。
「柿の蔕」の名は、高台周りが柿の実のへ夕の部分に似ているところから付けられたといわれています。
晩秋のもの佗しい季節感も大いに作用しているのでしょう。
高麗茶碗中、最も遺品少なく、珍重されています。
《付属物》内箱-桐白木、書付松花堂昭乗筆
《伝来》柏木家
《寸法》高さ6.2~6.8 口径13.4~13.6 高台径5.5 同高さ1.0 重さ292

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