茶人が水指・建水・灰器などに採用した南蛮・島物と称するものには、縄簾・冬寒・〆切・飴粽その他がありますが、このハンネラもその語源と産地の確定はむずかしいです。
ただ、これら素焼に近い南方の日常粗器を採用した茶人の佗び精神には注目すべきです。
これは水漏れして生気を帯びますので、道具のとり合わせに面白いです。
口の広い形、広く形のよい蓋が沈み、袋部が安定し、首下に無作為の箆彫りがあります。
赤い土肌には少し曇りがあり、素朴な味わいです。
ハンネラには掛花入もあります。
またこの蓋が古備前種壺などにとり合わされて、麺の深い効果をあげています。
【寸法】 高さ:16.0 口径:14.5 胴径:20.5
【所蔵】逸翁美術館