高さ8.2cm 口径9.9cm 高台径5-5cm
この茶碗の内箱蓋裏には「宗味焼 黒茶碗 わひの友 了々（花押）」と了々斎が書付しています。何を根拠にしてこの茶碗を宗味焼としたかは判然としません。茶碗の姿はやはり利休形を基準としたもので、おとなしく穏和な作行きです。高台はやや大振りで畳付はまるいです。これとまったく同様の作行きで長次郎とされているものがいくつもあります。しかし、総体にかかった釉は光沢があり、黒く焼き上がっています。口の一部の欠損を了入が赤楽で補修しています。別の箱の蓋裏に（元楽作 黒茶碗 一入く窟）」と一入が書き付けているのは興味深いです。一入のいう元楽とはどのような意味でしょうか。また、何故に了々斎が宗味と書付したのでしょうか。
