元来微細な白雲母族の鉱物で、乾燥物の表面が絹のような光沢を呈することから絹雲母と命名されるに至ったといわれています。
重要な陶磁器原料である陶石は、一般にセリサイトと石英の混合物であります。
セリサイトの窯業原料としてすぐれている性質は、粘土状で可塑性が大きく乾燥強度が高い点と、熔融により生成するガラス相の粘性が高く、荷重軟化点が高いことであります。
陶磁器原料としては、粘性原料の粘土の役目と焼固のための長石の役目を兼ね備えている点が利用されるのであります。
熊本県天草・石川県服部・北海道松前などの陶石は、岩石中の長石類が後火山作用による熱水液のため絹雲母化を受けたもので、陶磁器原料として重要なものであります。
(『セラミック原料』)