尾張瀬戸または美濃(美濃瀬戸)において焼き出した天目茶碗の一種。
濃い柿釉の上に真黒釉の掛かったものです。
多く瀬戸茶入にみられるものと同じ釉立ちであります。
あるいは1583年(天正一一)美濃国久尻(岐阜県土岐市泉町)に開窯した加藤景光の創出で、景光がこれを正親町天皇に奉ったところ叡感あって筑後守を拝したといいます。
瀬戸天目は以後近世に及ぶまで製せられたもので新古種種あるようで、申に蹴破蓋のように菊花を模様としたものがあります。
(『茶具備討集』『茶道笙蹄』『万宝全書』『高麗茶碗と瀬戸の茶入』)