尖底土器 せんていどき

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鶴田 純久の章 お話

底が尖った土器。
一般に口がまっすぐに立つ単純な深鉢形を呈し、縦断面V字形のもの、その尖端を特に突出したもの、U字形でむしろ円底に近いもの、砲弾形の尖端近くでいったんくびれてから尖端が再び乳頭状に突出するものなどの諸形態があります。
狩猟・漁携を基盤とする文化に成立した尖底土器の多くは、単純な深鉢形であって、しかも他の形態の器種を伴わず、それ一種のみであることも多いようです。
用途は主として煮沸用であります。
わが国の縄文式土器の尖底土器、朝鮮新石器時代の櫛文土器、北ユ一ラシア新石器時代の櫛文土器、北ヨ一ロッパ中石器時代エルテベレ文化の土器などがその実例であります。
いっぽう農業社会に成立した土器の多くは、最初から精製・粗製の区別があるようで、平底土器を主体とする数器種から成り立っています。
そして時にその粗製土器の中に尖底土器を含む場合もあります。
この場合は形態は必ずしも単純ではなく、また煮沸用とは限らないようです。
中国新石器(仰詔文化)・パキスタンのインダス文明・エジプト青銅器時代などに例をみる。
わが国では縄文式土器が尖底土器として始まり、早期末、地域によっては前期前半で平底土器に代わるものと最近まで理解されてきた。
しかし現在では、尖底土器出現に先立って草創期前半に平底土器が存在していたことが明らかになりました。
尖底土器の形態に関しては煮炊きに便利なようにという工夫から成立したとする解釈もあります。
南関東の早期の遺跡で、尖底土器が石塊を集めた炉に突き刺した状況で出土した実例もあります。底を尖らせる理由としては、ヨ一ロッパではバスケットの形態を模倣したとする説もあります。
また中近東の新石器時代では住居が粘土の固くかつ平滑な床をもったのに対して、ヨ一ロッパの住居は凹凸でかつ柔らかいために尖底土器の方が実用的だったとする解釈もあります。

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