河南省洛陽市東郊で漢魏洛陽古城の北にある戦国時代の古墓群。
1928年大雨のあと地面が陥没して古墓のあることがわかり、盗掘が行われました。
現地を訪れたホワイトの報告によりますと、盗掘された古墓は八基で、いずれも地下約一四メートルに営まれ八角形をした木棹の中央に漆塗りの棺が置かれ、傍に戦国式銅器や漆器・鏡・帯鈎・銀器など多数の副葬品がありしました。
発見された遺物には金象嵌や玉類をちりばめた豪華なものが多数あるようで、戦国時代の工芸の優品として著明であります。
またここから発見された凱氏編鐘や銀器には銘があるようで、それから年代の推定できるものがありますが、それによるとこの墓は戦国時代後半のものと推定されます。
この金村古墓出土として緑釉陶が一個あるようで、漢代以前の緑釉陶として著明であります。
銅器の幡嫡文甑を忠実に写した有蓋の壺で、肩と胴に二条の狭い幡嫡文帯が巡り、一対の獣環をもちます。
蓋には三環があります。
釉薬は薄く全面に掛かり、色調は黄味を帯びた緑褐色を呈します。
金村古墓出土という伝承を別としても、器形や釉薬の特質は漢代をさかのぼるものとして貴重であります。