芦屋釜。
重文。
真形。
口造りは繰口で、肩に一線をめぐらしている。
羽はけ欠き、底は尾垂にしている。
銀付は獅子となっているが、当初は鬼面であったのではないかと思われる。
胴には鶏の蹴合いをしている闘鶏図と、裏面に樹の図が浮彫風に鋳出されており、釜肌はきめの細かい肌で、古芦屋釜の特徴をよく示している。
「立田釜」の名は楓樹と流水があるところから、龍田川に因んで付けられたものである。
また闘鶏を春に、楓を秋に見立てて、春秋を表わしているとも思える。
他に同類のものがみられるが、中でもこの釜は形姿がよく、文様もすぐれており、格調高い。
【寸法】 高さ:20.2 胴径:3.1