芦屋釜。
真形。
口造りは繰口、鐶付は鬼面で、羽を落とし、底を替えている。
豊かなふくらみをもつ胴は、一面には竹に鶴と亀を現わし、他面には洲浜に松樹が生え、傍らに鶴が降り立つ光景を現わしている。
花の実摘みの唐金一文字蓋を載せている。
松竹と鶴亀を題材にした吉祥図釜は、このほかに「高砂釜」など同じ傾向のものが多い。
釜肌はしっとりとして味わい深い。
鐶付の鬼面も大きく、図様は力強い箆使いで表現されており、芦屋釜の中でも独特の作行きを示している。
『名物釜記』に所載されているが、伝来は明らかでない。
【伝来】白鶴家
【寸法】 高さ：19.1 口径：15.6 左右30.0 底径：15.8 胴径：27.4 重さ：4900
