雪舟筆模本。
原本を著賛とともに写した好模本。
図上には原本と同様、雪ぼくしようしゅうしよう りようあんけいご舟と密接な間柄にあった二禅像、牧松周松と了庵桂悟による著賛がある。
了庵桂悟の賛は、永正四年(1507) 遣明使として渡明の途中、周防の雲谷庵にあった雪舟旧居を再訪したときのもので、このとき雪舟はすでにこの世を去っており、追憶の情を表わしている。
牧松周松の賛も哀感に満ちたもので、雪舟漂泊の生涯の終焉を詠じたものと解されるところから、原本は雪舟最晩年の絶筆的作品で、遠山をともなってひろがる水平線が展開する光景は、果てしない憧憬を感じさせる叙情的表現である。
【寸法(原本)】 画面一縦119.0 横35.3