伝藤原信実絵・伝藤原為家詞・源重之像。
重文。
佐竹本が斎宮女御のみ畳の上に坐しているのに比して、この歌仙絵はすべて畳の上に坐する姿として描かれているので上畳本の呼称がある。
現存が知られるのは十三葉で、位署および歌詞は二筆とも三筆とも考えられ、為家(1198~1275)と同時代の書写である。
歌仙が上畳のために佐竹本ほどの広々とした空間や視覚的遊動性はなく、むしろ落ち着いた肖像画らしさがある。
歌を二行書としたものや、散らし書にした自由な表現のものもみられ、同じ信実筆の歌仙絵と認められているが、かなり違った趣のあることは否めない。
【寸法】本紙縦28.6 横48.5
【所蔵】救世熱海美術館