業兼本三十六歌仙絵 なりかねぼんさんじゅうろくかせんえ

業兼本三十六歌仙絵
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鶴田 純久の章 お話
業兼本三十六歌仙絵
業兼本三十六歌仙絵

伝藤原信実絵・伝平業兼詞・中務像。
平業兼は左衛門佐業房の子で、元久二年非参議従三位、承元三年出家した人物であるが、真筆と認められるものが伝業兼筆「春日切」巻末の「校合畢、従三位行治部卿平朝臣業兼」の奥書を除いて遺存せず、現在では比較できるものは皆無である。
この歌仙絵の形式上の特徴は歌仙絵の左右相対する配列であり、これに従って人物向きを決定し、そのために歌も人物の向いている側に記されている。
これは室町時代に至り「左・右」を注記する形式への過程とみることができる。
また業兼本系統の姿絵の歌仙が以後しばしば描かれ、土佐・狩野派画家による歌仙絵に大きな影響を与えたことは見逃せない。

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