伝源実朝筆。『後拾遺集』巻四断簡(手鑑『碧玉』)。もと四ッ半の粘葉装の冊子本で、中院家に伝来したことによりこの呼称があるのかもしれない。実朝(1192~1219) の筆跡に類似するが同筆とは認めがたく、筆跡 料紙ともに「烏丸切」に近く、書写年代も平安末期頃と思われる。料紙は雁皮質の飛雲のあるもので、金砂子を粗く撒いている。『新撰古筆名葉集』には「下画アリ」とあるが、実際には下絵のあるものは遺存しない。書風が柔和で「烏丸切」ほどの迫力はないが、気品のある格調を保っている点から鎌倉期まで下がるとは思えない。【伝来】古筆家【寸法】本紙縦13.5 横20.8