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鶴田 純久の章 お話
針切
針切

伝藤原行成筆。
『源重之の子の僧の集』断簡(手鑑『谷水帖』)。
『源重之の子の僧の集』 末尾に「こなたはしげゆきがこのそうのしふなり、仁与」とあり、この仁与なる人物が筆者と考えられる。
この歌集はもと四ツ半の胡蝶綴で雁皮質の料紙を用い、一面十行書であるが最後の行をつめて十一行としたものもある。
線が比較的細く、丸みが少なく縦にのびた線に鋭い穂先が目立ち、針のようにみえるところからこの名称が生まれたのであろう。
『関戸本古今集』系の書風であるが老蒼で、横へのひろがりが少ない。
伝源道済筆「小堀切」(『朝忠集』断簡)と似ているために極め違いをした切も多い。
【寸法】本紙―縦22.7 横15.6
【所蔵】逸翁美術館

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