大名物。『大正名器鑑』では、ただ白天目の部に入れ、瀬戸天目としています。
堅い上味、高台の畳付と内部の目痕、高台の竹の節など、すべての条件は朝鮮半島製を証しています。
おそらく白釉系、つまり粉引・刷毛目系の窯でつくられたもので、器形と白釉から、瀬戸天目と誤認されていました。
中国製の天目を祖形としての作ではなく、器形の偶然がそうさせたのでした。
むしろ素朴な高麗茶碗で、それが金覆輪を付けて天目に昇格しています。
《付属物》天目台丿菱花台、内朱外黒、縁真節 同箱-書付
《伝来》金地院-徳川家
《寸法》高さ6.7 口径12.7~13.0 高台径5.1 同高さ0.9 重さ265
《所蔵》徳川黎明会