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鶴田 純久の章 お話

付属物
箱 桐溜塗黒面取金粉字形 書付 酒井雅楽頭筆
伝来
姫路酒井家―同藩武井守正―三井泰山(大正十年)
所載
大正茶道記 大正名器鑑
寸法
高さ:6.9~7.4cm 口径:14.3~14.9cm 高台径:5.8cm 同高さ:1.0cm 重さ:292g

 片身替伊羅保の名碗として聞えています。夏山の銘は釉肌の青みだちによったものでしょう。見込みには片刷毛滞洒に、掛分けの重なりも見事な景をなしています。竹の節高台大きくがっしりと重厚な姿のうちに口縁の切回しよく利いて、凛とした趣があります。高台は兜巾逞しく、豪宕の感じは井戸にも勝り、高台まわりの釉肌の変化は、微妙の味わいを含んで興趣が尽きません。肌の細筋も小気味よく立って、釉調の妙をひとしお引き立って、胴に走る山きずは却って魅力ある景となっています。

夏山 なつやま

伊羅保片身替茶碗。
見込には片刷毛があり、旛洒にかけ分けた二重の釉薬が見事な景色をなしています。
高台は竹の節で大きく、口縁の切回しがきいて、凛とした趣があります。
高台の兜巾たくましく、豪宕の感じは井戸にも勝りましょう。
また高台周りの釉肌の変化は、微妙な味わいを含んで興趣が尽きません。
肌の細筋もよく立って、釉調の妙があり、胴に走る山疵はかえって魅力ある景色となっています。
銘は釉肌の青みだちによったものでしょう。
《付属物》箱-桐溜塗黒面取、金粉文字・書付酒井雅楽頭筆
《伝来》姫路酒井家-武井守正-三井泰山
《寸法》高さ6.9~7.4 口径14.3~14.9 高台径5.8 同高さ1.0 重さ292

名物。朝鮮茶碗、伊羅保。
茶碗の浅青色を夏山の若葉に見立てた銘であります。
姫路酒井家所持、武井守正を経て1921年(大正一〇)三井守之助家に入りました。
(『大正名器鑑』)

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