Shino yahazu-guchi(notch) shaped water jar wth reed design. known as ‘Kogan’
Height 17.8cm Hatakeyama Kinen-kan Museum
Registered as important Cultural Property
重要文化財
高さ17.8cm 口径18.5cm 底径18.0cm
畠山記念館
志野の矢口形水指の代表作。絵文様、釉調、形ともに抜群のできであります。胴の一方に三株の芦の絵をあらわし、裏には数本の茎を持つ一株の芦が描かれ、平らな底には糸切の跡がくっきりと残っています (図132参照)。底を除いた全面にかかった釉はよく溶けていますが、火が強すぎたのかいささかやわらかみに乏しい。口回りや裾にほのかな火色があらわれ、墨絵のような絵文様と調和して勁い作振りに雅味を加えています。口の大きな窯疵にもかかわらず世に残っていますのは、作行きが優れていたからであり、矢筈状の口回りに蓋の目跡が残っていますのは、おそらく共蓋で焼かれましたのでしょう。百草土はしっかりと焼き締まっています。大萱の牟田洞窯の作とされています。
志野芦文矢筈口水指 銘古岸 底
志野の作品には茶碗とともに、水指に優れたものが多いようです。その多くは矢筈口形式のものでありますが、矢筈口の水指は美濃だけではなく備前をはじめとして、信楽、伊賀などでも作られています。 「古岸」 の底部であります。くっきりと糸切の跡が残り、やわらかな百草土が見られます。
古岸 こがん
志野水指の代表作。
重文。
腰強く、胴を広く締め、その上部を一度ふくらませ、さらにもう一度締め、次に口縁部をひろげ、口造りを矢筈におさめています。
緊張と開放のコントラスト、織部好みの轆轤造形の特徴を全部出しています。
長石釉のあがり、芦絵の発色も最上で、画風生々としています。
また石はぜが一つ、口縁に大きく割れがあり、山樋が一つ、これらはすべて窯火の天工に出で、まことにその銘のごとく古岸蕭々の想いのするものです。
なお志野焼の手法種類には、絵志野・無地志野・鼠志野・赤志野・紅志野などがあります。
【寸法】 高さ:17 口径:18.3~19.3 底径:18.5~19.8
【所蔵】 畠山記念館