佐賀県藤津郡嬉野の陶工。1859年(安政六)二月生まれ。1887年(明治二〇)頃この地の磁器はすでに海外に輸出されていたとはいえ粗製濫造に流れ評判が悪く次第に衰微していたので、源六はこの改良を企図し同業組合の成立に奔走した。1895年(同二八)各地の輸出品製造地を視察してさらに研究を重ね、ついに独特の磁器を出すに至り、世に源六焼と称された。1920年(大正九)二月没、62歳。長男真一があとを継ぎ、1921年源六焼合名会社を組織し1929年(昭和四)これを株式会社とし、染付や上絵付を出して嬉野名産とした。
(寺内信一)
※源六焼