古伊部烏帽子箱水指 こいんべえぼしばこみずさし

古伊部烏帽子箱水指 こいんべえぼしばこみずさし
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鶴田 純久の章 お話
古伊部烏帽子箱水指 こいんべえぼしばこみずさし
古伊部烏帽子箱水指 こいんべえぼしばこみずさし

この水指は角形で裾をややしぼませ、烏帽子の容器に似ていることから、小堀遠州が「ゑほし箱」と箱書しています。
一面少し窪み、いわゆる榎肌という灰の溶けきらない榎の肌のような青黄褐色の窯変を現わし、一部に釉はげ、一部に釉照りと、景色まことに面白いものがあります。
佗びの中にもおだやかな姿形を求めた遠州の好みがよく示されています。
古備前は元来、無釉焼き締めのもので、たまたま窯中の灰分によって面白い窯変を現わすことがあります。
しかし伊部手ははじめから鉄分の多い塗り土を施し、水漏れ止めと、一種光沢ある釉効果をねらったもの。
大窯初期からの手法といいます。
【寸法】 高さ:15.7 口径:21.3
【所蔵】 藤田美術館

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