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鶴田 純久の章 お話

名物。唐物肩衝茶入。
日野大納言所持、松平不昧に人り雲州家に伝わりました。
(『茶道名物考』)

ひのかたつき 日野肩衝

漢作唐物肩衝茶入。
大名物。
銘は公家日野大納言資輝の所蔵により命銘。
大文字屋疋田宗観は日野家がこれを手放すことを聞き、先に「初花肩衝」を信長に献上し代わりにこれを求めました。
この仲介を古田織部がしています。
寛永八年、同家宗味がこれを用いて茶会を催していることが『松屋筆記』に記載。
茶入の肩から口造りまで甑高く、捻り返しが深く、胴はすなおにのびています。
裾の締まりがよく風格高き容姿は、さすがに大名物の姿を思わせます。
総体に飴色釉地に青瑠璃色と柿色釉が景色をそえ、きわめて美しい釉景を呈しています。
胴周りには漆の繕いがあり、置形はなだれも見事に青瑠璃色を現わしています。
盆付・板起しが無造作にみられるのは、柔らかい焼き上がりのためでしょう。
また板起しの底一面に黒い釉カセがあり、火災に遭ったごとく大繕いが数カ所ありますが、総体に円満で品がよく、古色よく保存されているみやびな茶入です。
松平不昧は、これを大名物の上位の宝物に格付けして珍蔵しました。
【付属物】蓋―三 仕覆―四、弥三右衛門間道・亀甲紋風通・花色地花兎古金襴雲鶴緞子(図版右より) 引蓋箱―桐白木、書付松平不昧筆仕覆形―仁清焼仕覆箱―桐白木、書付松平不昧筆家 黒塗 端彫物中栗色四方盆 盆箱 桐白木、書付小堀権十郎筆
【伝来】日野大納言資輝―大文字屋疋田宗観―湯川善六一前田利長─湯川善六―三井三郎助松平不昧
【寸法】 高さ:8.8 口径:3.9 胴径:7.4 底径:4.2 重さ: 120
【所蔵】畠山記念館

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