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鶴田 純久の章 お話
絵唐津 枝垂柳文 大皿
絵唐津 枝垂柳文 大皿

高さ9.6cm 口径38.7cm 高台径11.0cm
梅沢記念館
 数少ない大皿の代表作の一つで、やや厚手に無造作に轆轤びきされています。高台は小振りに削り出され、畳付は片薄です。 見込全面に枝垂柳らしい絵を描いていますが、上下を逆にして芦の絵と見る人もいます。 細い線がよくのびて軽快な趣の筆致です。 高台まわりを除く内外全面に土灰を含んだ長石釉がかかっています。 甕屋の谷窯の作でしょう。

絵唐津枝垂柳文大皿

高さ9.6㎝
口径38.7㎝
高台径11.0㎝
梅沢記念館
 唐津の窯跡の破片で見ると、唐津でも随分大きいものが作られていたことが知られるが、伝世品に関する限り、大きい作品は多くないようです。大きい故に損耗することが多かったからであるでしょう。
そういうなかでこの皿は、差渡し40センチに近い異例の大作であります。
しかしその全面を飾る絵の調子は決して大味ではなく、むしろ絵唐津のなかでも有数の軽妙洒脱な筆さばきを示しています。
口縁はかなり幅広の平縁となっていますが、その縁も含めて、皿の端から端までいっぱいに、流暢な柳の小枝が走っていて小気味がいい。
裏面中央に片薄の小さな高台がつくられています。
甕屋の谷窯の傑作の一つであります。

絵唐津柳文大皿

十七世紀初期 甕屋の谷窯
高9.6 径38.7
梅澤記念館蔵
鉄分の少ない土で、竹の節、三日月高台となっています。 見込みいっぱいに、まだ充分に乾かないうちに鉄砂で柳を描いています。
文様のモチーフが葦か柳かわかりませんでしたが、甕屋の谷窯から出土した柳の絵の陶片と比較して、柳説に軍配をあげました。高台の部分を除き、厚く長石釉がかけられ、一、二〇〇度前後の高温で還元炎焼成しています。釉色は灰鼠色に、鉄砂は黒く発色しています。

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