「笠牛」 としては珍しい色の配合で、総紫に笠が黄である。この類で割合多いのは総青に笠黄であるが、ときに総黄に笠が青であったりする。総黄のものを最上とするが、「大獅子」などと違って、二色あるいは三色の方が鑑賞価値が高いようにも思われる。
したがって牛の胴全体は一色で笠だけ色違いが喜ばれ、ときには蓋と身が色違いで、さらに笠の色も違っているものも存在し、それもまた賞玩される。
このように交趾の色の配合は、はじめから組み合わされたままのものもあれば、途中で組み変えられたものもあり、またどういう出会いがよいかは、種類ごとに長年の体験で決められる。
【寸法】 高さ:5.5 口径:5.0~7.4
【所蔵】滴翠美術館