櫂先を直角に曲り撓め、撓め過ぎたのか裏を漆で補修してある。本樋の節上に一筋の縞流れがあって見所となっている。竹質はよく光沢があって美しい。筒は撓めの強い茶杓を納めるために太い筒を添えている。総削りして〆印に「本阿」、底近くに「光悦(花押)」と筆太の書入れはさすがに見事である。光悦茶杓は墨書を優品とする。光悦は永禄元年生まれ、家業の刀剣の目利・磨礪・浄拭を継承する。のちに自得斎・徳友斎・大虚庵と号した。京都鷹ヶ峰に領地と二百石を賜わり、配下の工匠と集団生活をした。書は寛永三筆、作陶・蒔絵・作庭・版本の諸芸に通じた。【付属物】内箱 外箱【寸法】 茶杓―長さ18.2 筒長さ2.2