明代または李朝。
名物裂。
経糸に絹、緯糸に太い木綿糸を使った経三枚の綾地の金襴・銀襴の総称で、むっくりとした厚みをもっている。
製作地や年代は明確ではないが、朝鮮李朝時代のものとする説もあり、桃山時代以後舶載されたものである。
本図の裂は茶地の唐花紋を二本の枠で囲み、紋緯には白・浅葱の絹糸を使用した銀欄である。
このような絹と木綿の交織は中国・インドなどでは盛んに織られ、明代には糸布・兼糸布などと呼ばれていた。
厚地のため表具裂や茶入仕覆裂には不向きであるが、帛紗や挽家などには適しているので、古くから珍 重さ:れてきた。
大内桐銀欄や黒船裂にも黄緞の手がある。