興牧筆。
寒山拾得は、中国唐代の奇僧寒山拾得の飄逸な姿を組み合わせ画題で、単独でも画かれる。
天台山国清寺の豊干禅師のもとに参じ、庫裡の片隅で雑事や掃除を手伝いながらぶらぶらしていたといわれている。
日本では鎌倉末期以降、禅林所縁の水墨画に登場、漢画系から狩野派の画人間に広く伝承され、道釈人物画を代表するに至った画題である。
通常寒山は経巻か筆、拾得は箒をもつか天を指呼している。
ともに弊衣蓬髪組衣をまとう。
興牧は画史に「仲安真康に似る」とあるのみだが、鎌倉建長寺の祥啓一派と思われる。
【寸法】画面 縦44.0 横27.5
【所歲】正木美術館