如拙筆、絶海中津賛。
孔子・老子・釈迦の三人を一図に画いたもの。
儒教・道教・仏教も究極においては一つの真理に帰結するという三教一致の思想によるもので、室町時代に禅林間に生じた詩文を愛好し、隠逸高雅は文人生活を理想とする風潮とともに盛行した画題である。
如拙は応永年間(1394~1428)に活躍した相国寺の画僧で、「瓢鮎図」(国宝・退蔵院蔵)の筆者として著名。
図上の絶海中津の賛文によれば「大巧は拙なるが如し」の意から大巧如拙の名を得たことがわかる。
当時、舶載移入されていた中国院体画風を意識的にとり入れて作画している。
【寸法】 画面縦98.7 横21.8