すけまさふるい伝藤原佐理筆。
『古今集』巻七断簡。
「通切」はその料紙が篩の目のようなとおし漉き目が残っているところから「」を意味し命名された。
「筋切」が料紙の表側であるのに対して、これは紙の裏側である。
同筆の書に『西本願寺本三十六人集』の『貫之集上』「人麻呂集(室町切)」「元永本古今集切」「巻子本古今集切」「下絵拾遺抄切」「後撰集切」などが知られ、元永本には奥書に元永三年(1120)の書写年紀があるから、この「筋切」「通切」その頃と考えられる。
運筆は軽妙で明快な表現といえ、漢字と仮名の見事な融合は、個人的特性というよりはむしろ時代様式といえよう。
【伝来】関戸家
【寸法】本紙縦21.6 横14.0