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鶴田 純久の章 お話

松平不昧が江戸の干柄清右衛門のためにつくった赤楽茶碗で、土は出雲国(島根県)のものであります。
その添掛物に「応所望茶碗一つ造之進申候破衣と名付候やれ衣見ぐるしけれど是一つあか茶碗とはいふもことはリー笑々々一々菊月11日千柄清右との」とあります。
一々は不昧の別号。
形は不昧の愛蔵である加賀光悦を写したかと思われます。
胴の外部にその糸巻印「宗納」の型押があります。
不昧の手裡ね茶碗にもウーつ銘を世外というものかおります。
初め不昧に箱書を願ったが破衣の歌にこれ一つとあるのでといって断わられたので、仕方なくその息女玉啖に箱書付を請うたといいます。
破衣の茶碗はのち名古尾の横井半三郎家に入りました。
(『大正名器鑑』)

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