鶴田 純久
鶴田 純久

萩 銘田子浦

付属物 内箱 桐 白木 書付 玄々斎宗室筆 同蓋裏 黒塗 書付 金粉字形
伝来 加賀粟崎の木谷家―東京上田家
所載 大正名器鑑
寸法
高さ:8.0―8.5cm 口径:12.0―12.8cm 高台径:5.1cm 同高さ:0.9cm 重さ:360g
 萩の茶碗が、茶人の間でとくに好まれたのは、井戸茶碗にも、志野茶碗にも共通した、ふくよかな柔らかさが感じられるからでしょう。
 その「やわらかさ」「おおらかさ」、そしてどこかに、「あかるさ」がほのかにただよいます。
 それが「佗び」に通じるからでしょう。
 この茶碗の形は、「筆洗型」で、釉の色は枇杷色で、下の方に一か所、白く釉がぬけています。
 見込みには、白釉がねっとりと残雪のようにかか’つている。
 「田子浦」という銘は、その白釉を雪と見立てて、田子浦に立つ富士を連想1 たものと思われます。茶が生きる茶碗といえましょう。

田子浦 たごのうら

萩茶碗 田子浦
萩茶碗 田子浦

萩茶碗。名物。古来、茶人の間で特に好まれたのは、萩茶碗や志野茶碗に代表されるような、ふくよかな柔らかさでしょう。そして、この茶碗のようにどこかに明るさがほのかに漂っていれば申し分がありません。形は筆洗形で、釉色は枇杷色。下方にIカ所、白く釉が抜け、見込には白釉がねっとりとかかっています。銘はその白釉を雪と見立て、田手浦に立つ富士を連想したものと思われます。《付属物》内箱-桐白木、書付玄々斎宗室筆、蓋裏黒塗金粉字形《伝来》加賀粟崎木谷家-上田家《寸法》高さ8.0~8.5 口径21.0~21.8 高台径5.1 同高さ0.9 重さ360

田子浦 たごのうら

萩茶碗 田子浦
萩茶碗 田子浦

名物。萩焼茶碗茶碗の見込にある白釉の景色を田子浦に思い寄せての銘である。箱に「田子の浦なみやしろたへの気色は世にも不二とこそ見む」の歌がある。よみ人知らず。加賀国粟ヶ崎(石川県金沢市粟崎町)の旧家木谷家に伝来したが、1900年(明治三三)同家を出て上田寿子家に入った。(『大正名器鑑』)

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