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鶴田 純久の章 お話

中国河南省の臨汝県一帯に分布していた宋代の青磁窯であります。
欧米で北方青磁と呼んでいるオリ一ブ一グリ一ン色の青磁をかつてわが国では汝窯としていたが、この認識の正誤は半々といえます。
すなわちこの種の北方青磁のうち汝窯に帰属させるべきものもあるかわり、他の北方窯の所産と考えられるものも多いからであります。
特にわが国で汝窯と称した青磁の中でも最もすぐれた片切彫りの文様のある手は、主として院西省の耀州窯産であることが中国の調査で明らかになりました。
それらの調査を進めてきた馮先銘の説によれば、北方青磁のうち汝窯とすべきものは型押し文のある手の一部ということになるが、戦後の調査の詳細に触れていないわれわれの知見では、その正確な認識を得ることは不可能なようであります。
さらに汝窯に関連する難問として汝官窯の件がありますが、これについては同項参照。

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