天命釜。
丸釜で、口造りはやや腰高い甑口とし、肩には遠山の鐶付を付けている。
蓋は花の実摘みを付けた唐金蓋と、砂張蓋がある。
天命独特の荒肌で、端正につくられた釜の形とよく調和して、天命釜らしい素朴な麺を出している。
西村道治の『名物釜所持名寄』に「三代目小姫釜鐶付鬼面(撮トアルアリ)」とあるが、別物かもしれない。
「小姫」の名の由来は明らかでない。
おそらく小さくまとまった優雅な釜形から名付けられたものと思われる。
【付属物】替蓋砂張 箱 桐白木書付
【伝来】千利休細川三斎采女―三輪大学―藤田家
【寸法】 高さ:2.3 口径:10.0 胴径:23.5 底径:11.0 重さ:3830