伝藤原俊成筆。
『千載集』巻十五断簡(国宝手鑑『藻塩草』)。
もと日野家に伝えられたので「日野切」と称しているが、遺存するのは下巻のみで上巻は失われた。
胡蝶装の冊子本で、巻十七の巻末に烏丸光広(1579~1638)が「右撰者(俊成)之自筆にて待りけり、そのよしかきそへよと、ある人申ければ、ことの葉もちゞの春秋とまれとてえらびし跡の筆のたゞ亜槐(花押)」と記している。
その筆跡は俊成(1114~1204)七十代の書風に相当し、文治三年(1187) 『千載集』 を撰進しているかその直後の自筆本とみてよいであろう。
【伝来】日野家
【寸法】本紙縦22.7 横15.8
【所蔵】京都国立博物館