武野紹鷗(1502~55)の好みの棚で、紹鷗袋棚ともいう。
檜材に春慶または溜塗をなし、真台子の寸法により、地板の上に地袋があり、二枚引違いの襖がはまっている。
襖の 高さ:は六寸一分(18.5センチ)で、鳥の子の周囲を裂地で額縁取りをし、赤銅の菊形の精巧な引き手をとり付けている。
地袋右方に南蛮砂張(桃底)の水指、左方に柄杓・蓋置をしまい、中棚に棗、天板に料紙文庫・硯箱・一輪挿花入・香炉・炭斗などを飾る習わしで、炉専用の大棚である。
『続群書類従』 飲食部に『紹鷗袋棚記』の秘伝書があり、天文十八年(1549)四月四日に門弟の生島助之丞にあて伝授奥書が示されている。
【寸法】高さ:59.5 縦39.0 横73.5