長角形、錫縁で、蓋甲には蓬萊山の図を総溜に螺鈿とともに現わし、蓋裏には梨地に蓬萊山の蒔絵を、身の内には松喰鶴の蒔絵が施されている。 時代は鎌倉初期の作と推定されるが、錫縁も完全に保存され、合口もよい。かつて手箱中の化粧道具の一つであったものの転用。 蓬萊山の図は、古代の蒔絵にはよく用いられ、後世にもめでたき画題としてしばしば描かれている。中国の伝説に、東海にあって仙人が住むという霊山。【伝来】原三溪【寸法】 高さ:3.0 胴径:5.6~6.9 重さ:50【所蔵】畠山記念館