梁楷筆。
中国唐代の伝説に、国清寺の豊干禅師が、山中から連れてきた子供に拾得と名付けて掃除役をさせていたところ、寒山という僧がやってきて、拾得から残飯をもらって二人して遊んでいたという。
この二人の超俗的な生活態度が禅家に親しまれ、道釈人物画として盛行した。
拾得は箒を、寒山は経巻をもち、弊衣蓬髪、屈託のない笑顔に画かれる。
足利義教の鑑蔵印と想定される「雑華室印」白文方印をもつ。
豪放磊落な筆致である。
【付属物】箱書付松花堂昭乗筆 添状 同筆
【伝来】 小堀遠州松平若狭守 津軽家
【寸法】全体―縦166.0 横44.5 画面一縦81.5 横34.0
【所蔵】救世熱海美術館