武陵桃源・李白観瀑図 ぶりょうとうげん・りはくかんばくず

武陵桃源・李白観瀑図
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鶴田 純久の章 お話
武陵桃源・李白観瀑図
武陵桃源・李白観瀑図

岳翁筆。
桃花咲きほこる武陵の仙境に踏み入った漁父と、深山に掛かる一条の滝を観る李白の姿を対幅に画いたもので、清爽な画境である。
筆者の岳翁は周文を継いだ画人で、蔵丘の諱をもち、周文派のもつ馬遠画風を夏理的な画態に発展させている。
それは日本水墨山水画を、蒼古たるものか明澄なものへと変貌させ、本図にみられるような潤いがあり、しかも透明な画麺の成立をみせたのであった。
画題は禅林間に盛行した隠逸趣味と文芸愛好の気風を反映したものである。
岳翁画の特徴は、景物を接近した形で表現することによって、曖昧さをさけ、真実をみつめた点である。
【伝来】 川崎家
【寸法】両画面縦113.0 横21.4

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