雪村筆。
重文。
雪村の代表作の一つ。
強風にさらされた樹木と家、波濤に翻弄される船などが小画面の中に躍動し、雪村独特の動的な表現が十分にせつしゅうみな発揮されている。
雪村は周継の諱をもち、生涯の大半を関東・東北地方の僻地に送ったが、雪舟に私淑し、鎌倉に赴いて五山禅僧と接する一方、地方豪族とも交流のあった文人的性格の画人である。
中国宋元画を学び、本図も夏珪など南宋院体画系の作画に意を得たものである。
また元代の画家顔輝・陳容らの怪奇な迫力をも身につけ、雪村独自の画風に到達した。
戦国地方画壇を代表する画人である。
【伝来】佐竹家
【寸法】 画面 縦22.3 横3.4