源琦筆。画面を斜めに使い、いっぱいに奴凧を描出し、足元に糸巻を大きって構図に調和を与えている。全体としては奥行きのない図案的な表現に終始した風俗的な作品である。源琦(1757~197)は円山応挙画技を学び、長沢芦雪とともに応挙門下の二哲と称された画人である。芦雪に比べて源琦は、応挙の画風を忠実に継承している。幕末の画伝書『古今墨蹟鑑定便覧』に「殊二設色妙手ニシテ其師ニ紛入ルアリ」と記されているほどである。応挙の没後、その子応瑞を助けて円山派を盛り立てている。寛政三年(1791) 源琦45歳の作である。【寸法】 画面 縦33.0 横62.0