伝源俊頼筆。
『拾遺抄』断簡。
『十巻本拾遺抄』の書写本で遺存する断簡はきわめて少なく、料紙は鳥の子の白紙に銀泥飛鳥・草花などが比較的大きく描かれ、『桂本万葉集』 「堺色紙」より洗練された下絵となっている。
俊頼(1112~9) 筆といわれ、『元永本古今集』巻子本古今集切」「後撰集「切」「筋切」「通切」 『西本願寺本三十六人集』の『人麻呂集』『貫之集上』と共通した書風を示している。
行間もゆったりと、下絵のおおらかさと相まって、簡潔にして、優雅な調度的作品といえる。
書写年代は十一世紀末から十二世紀初頭頃であろう。
【寸法】全体―縦146.5 横67.1 本紙―縦26.3 横18.5
【所蔵】東京国立博物館